| １ |
|
●１９８１年５月以前着工の旧耐震基準で建てられた木造住宅は、大地震時に倒壊する可能性が高いとされています。
●１９８１年（昭和５６）６月〜２０００年（平成１２年）５月、着工の「新耐震」基準で建てられた木造住宅の中には、大地震時に損傷したり倒壊する可能性のあるものが存在します。
●２０００年（平成１２年）５月以前着工の木造住宅は、安全性を確認するため、耐震診断を受けることをおすすめします。
|
| ２ |
設計事務所に耐震診断依頼 |
●耐震診断の費用は、一般診断法の場合は５万円〜１５万円です。（依頼の内容で異なります。詳しくは「（５）耐震診断の費用」を、ご覧下さい。）
●耐震診断費用の見積を書面または電話で確認し、業務委託契約書を取り交わして下さい。
●無料診断を行う工事業者については、ご注意下さい。 |
| ３ |
予備調査と
一般診断法による耐震診断 |
●予備調査として、図面や現地での調査を行い、耐震診断の必要性を検討します。
●調査内容や建物の規模によりますが、現地調査には３〜６時間が必要です。（図面がない場合には、間取りスケッチの時間と費用が必要になります。）
●現地調査では、耐震壁の種類や配置を調べたり、建物の劣化状況をチェックしたりします。
●一般耐震診断の主目的は、耐震補強の必要性の有無を判断することです。
●耐震強度の計算をしたり、報告書を作成するのに、７日間程度かかります。ご希望により、報告書をお持ちして、内容をご説明します。 |
| ４ |
一般耐震診断報告書の
提出（説明）と
判定・その後の方針決定 |
●「安全」と判定された場合は、「継続使用」ということで、定期的な点検やメインテナンスを心がけていただくことになります。
●耐震診断の評点が著しく低い時には、経済的な合理性から「建て替え」をお勧めする場合があります。但し、工事費の限界がなければ、耐震改修は可能と言える場合が大半です。
●「耐震補強が必要」と判定され、依頼者が補強を希望される場合には、耐震補強設計のための詳細な建物情報を得るために、精密耐震診断または詳細な現地調査を行います。 |
| ５ |
補強設計前の
精密耐震診断の判定 |
●耐震補強設計前の精密耐震診断を行った結果、「安全」と判定された場合は、「継続使用」ということになります。
●精密耐震診断を行い、「耐震補強が必要」という判定の正しさが確認された場合は、補強設計を行います。
●ごく希に、精密耐震診断を行った結果、一般診断では発見されなかった重大な問題点が発見された場合など、経済的な合理性から「建て替え」をお勧めする場合があります。 |
| ６ |
補強設計は設計事務所に
依頼する
（補強計算書、特記仕様書、補強工事設計図、工事内訳明細書等の作成、他） |
●耐震補強とは、建物の耐震構造上の欠点を、現行建築基準法の耐震基準に合致するﾚﾍﾞﾙまで、補強することです。詳しいことは「（３）耐震補強で目標とする建物とは」をご覧下さい。
●依頼者は、設計事務所に補強にかけられる予算、どの位強くしたいのか、施工の条件を、はっきりと話して下さい。耐震補強は、予算の範囲内で優先順位を考えて、できるところから行うのが現実的です。
●補強設計で作成するものは、補強計算書、特記仕様書、補強工事設計図、工事内容内訳（項目・数量）明細書などです。
●設計料が必要ですが、きちんとした内容の工事を適正な金額で発注できますから、設計料を払っても十分に元が取れると言えます。
|
| ７ |
見積は複数の業者に頼む
工務店等に工事を発注
|
●詳細な特記仕様書、補強工事設計図があれば、複数の工事業者に見積書の提出を求め、
●設計事務所は、工事業者提出の見積書をチェックし、金額等についても依頼者の立場に立って業者と交渉してくれますので、適切な金額で工事業者に発注できます。
●工事契約書には、必ず、詳細な特記仕様書、補強工事設計図、工事内訳明細書を添付してもらいましょう。
|
| ８ |
設計事務所に監理を依頼
工務店等は補強工事を行う |
●設計事務所に監理を依頼して、工事期間中、現場の施工状況を確認し、必要に応じ職人さんを指導してもらい、適正な工事が行われるように配慮して下さい。
●床、壁、天井を開いてから、想定外の問題点が発生して設計変更をしなければならないことがよくあります。経験豊かな設計事務所が頼りになる場面です。
●設計者は、工事終了後、原則として精密診断法で補強結果の検定を行い、補強後の評点を確認します。
●監理料が必要ですが、きちんとした内容の工事が得られますから、監理料を払っても十分に元が取れると言えます。 |
| ９ |
デジカメとEメール
そして
セルフビルドの耐震補強 |
●依頼者がデジカメとEメールで設計事務所に協力してくれると、密度の高い施工監理が行えます。職人さんも、お客さんが頻繁にデジカメで工事写真を撮っていれば、良い仕事をするしか手がないということになります。
●補強工事に余りお金をかけられないが、時間とDIYの意欲と耐力は十分あるという方には、セルフビルドによる耐震補強も可能です。セルフビルド・サポートを行っている設計事務所が有償で指導してくれます。
●素人には難しい仕事だけ、プロの職人さんに頼むのも一つの方法と言えます。 |
| １０ |
完成または第１期終了
ガラスの飛散防止対策や家具の転倒防止対策も大事です |
●耐震改修に関する助成を行っている地方自治体もあります。市役所等にお問い合わせ下さい。
●悪質な耐震リフォーム業者の被害事例も少なくないようです。
「（９）危ない工事業者を見抜くポイント」を参考にして下さい。 |
